2013年4月30日火曜日

サルコペニアによる嚥下障害のキーワードまとめ



嚥下筋群のサルコペニア発見のポイント
・頭部挙上が自分でできない → 舌骨上筋群の筋力低下の可能性
・舌圧が弱い → 舌筋群の筋力低下の可能性
・舌の厚さが薄い → 舌筋の筋肉量低下の可能性

嚥下障害の高齢者における虚弱・栄養・サルコペニア : リハビリテーション栄養・サルコペニア(筋減弱症)より

口腔、咽頭機能の加齢変化所見
・咀嚼力:咀嚼筋力低下、嚥下までのストローク数が増加・嚥下までの咀嚼時間延長
・口唇閉鎖機能低下
・舌圧低下
・嚥下時の舌骨運動時間が延長
・喉頭の下垂
・咽頭クリアランスの低下
・喉頭挙上遅延時間が長い

サルコペニアの嚥下障害に有益な資料  : リハビリテーション栄養・サルコペニア(筋減弱症)より

口唇・舌機能、舌骨上筋群のトレーニング方法
・呼気抵抗負荷トレーニング
呼気抵抗負荷トレーニングによる舌骨上筋群の筋力強化に関する検討 : 摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌;2011, Vol.15, 174-182

・頭部挙上訓練(head rising exercise / shaker exercise)

・開口訓練
開口運動と舌骨上筋群 その2 (4) : 言語聴覚士勉強中 より

・口唇、舌運動訓練(頬部膨らまし、舌前方保持などのレジスタンストレーニング)
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サルコペニアによる嚥下障害の場合、それに特徴的な所見がいくつか見られることがあるようです。これらが見られる場合は、単に運動のみのトレーニングだけでなく、栄養管理を行なう必要があることになります。
高齢者の栄養評価には、以前の記事の通り、MNAが有効であり、おのずとリハビリテーションを行なう前には栄養評価を導入する必要があることがわかります。

運動訓練は、以前の記事の通り、レジスタンストレーニングが有効であるため、口腔、嚥下器官の運動機能訓練にはレジスタンストレーニングを行なうことが有効になります。

STは、口腔、嚥下器官の各運動に抵抗を加えるためにはどうしたら良いのか、また既存のトレーニング方法にはどのようなものがあるのかを知る必要があります。
さらに、口腔、嚥下器官の評価だけではなく、身体機能の評価も合わせて参照し、サルコペニアの有無を探る必要がありそうです。

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